令和6年度(2024)の2級建築施工管理技士(一次検定)を、独学でも試験合格できる勉強法を紹介します。近年は難易度が上がっていることから独学でも大丈夫?と不安ですよね。
結論を言うと大丈夫ですが、何の対策もなく勉強するだけでは厳しいです。資格試験は仕事をしながら取得を目指すので、時間が無い中で「どう合格するか!」に特化した勉強法で取り組めるかがポイント!
この記事を読んでわかること!
・ 独学で資格を取得する為に必要な心構え(考え方)
・ 自分にしかできない勉強法の確立
・ 試験合格に特化した(無駄を省いた)効率的な勉強法
独学で試験合格するために必要な特化した勉強法を紹介していきます。記事を読み終えるころには、独学でも合格できる!と自信が持てますよ。
(※ この記事は2024年4月に更新してます)
独学で資格を取得する為に必要な3つの理解
さっそく勉強法を紹介!といく前に大事なポイントがあります。それは合格するために欠かせない「独学で資格を取得する」という根本的な考え方の理解です。
当たり前のことですが、どこまでいっても勉強せずに合格することはできないですよね。冒頭でも紹介した通り、資格を取得するには仕事と勉強の両方を併用しなければならないので・・正直大変かと。
なので、まずは挫折しないために必要な考え方の理解を3つに分けて確認していきます。
① 2級建築施工管理技士という資格の理解
まず1つ目、2級建築施工管理技士はどんな資格?という根本的な部分から説明しますが、資格の中身ということでなく正確に言うと「重み」です。
以前は経験があれば資格がなくても通用しましたが、今はそういう訳にはいかないんですよね。
ポイント現在は施工管理技士を取得している有資格者がいないと、ある一定(請負額や規模)以上の仕事を請負うことができません。
よって、2級建築施工管理技士という資格の重みは年々増しています。その意味からしても価値のある資格だということを理解してください。
② 資格取得によるメリットの理解
次に資格を取得すると、どれだけメリットがあるかを説明します。
先ほども触れましたが現在は建設業法の規定により、案件によって有資格者(施工管理技士 等)がいないと仕事を受注することができません。なので、各ゼネコンや関連企業における2級建築施工管理技士の需要は高いんですよね。
このように資格を取得した時のメリットは、仕事環境における待遇や就職(転職)において絶大です。
資格取得という目的が自身の願望に直結していると大きな成果が出やすいので、ここの部分の理解があるかないかでモチベーションは大きく変わってきます!
③ 独学で試験合格する為に必要な考え方の理解
最後は独学で試験合格するために、欠かせない考え方になりますが、建築そのものを勉強しないことです。
え!と思うかもしれませんが、分かりやすく言うと建築全般ではなく・・「合格の仕方を学ぶ」ということ!建築に限りませんが、専門分野の課題は範囲が広いので、一定期間の勉強で習得するのはそもそも難しい。
実際、試験に合格できなかった人の多くに「共通した理由」が存在します。
・ 仕事を終えて疲れてる状態での勉強なので、おろそかになりやすい
・ 数日ではなく長期にわたる勉強の継続なので、挫折しやすい
・ 家庭環境などによる、勉強時間の確保が難しい(取りづらい)
他にもありますが、主だった理由はこの3つ。よって、これらの挫折原因を見越した勉強法が求められます。
具体的なやり方は後ほど詳しく説明しますが、限られた時間の中で目的を達成するためには、合理的な取り組みでないと結果はついてきません。
そこを踏まえた認識や理解があると、合格という結果がグッと近づいてきます。
一次検定試験を合格するのに必要な逆算法
それでは具体的な勉強法を紹介していきますが、ポイントは合格点から逆算して対策を立てること!
まず 2級建築施工管理技士の一次検定を合格するのに、何点必要かを確認します。
例年全部で50問出題され、必要解答数は40問、この内24点(60%)以上正解で合格となります。
ここで大事なのが、合格点の捉え方!
・24点取らなければならない!と思うのか
・24点取れば合格できる!と思うのか
このように捉え方によって、勉強しようというモチベーションが大きく変わってきます。
どうしてもはじめは「24点取らなければ」と気負いがちですが、裏を返せば26点(半分以上)落としても合格できる!ということなんですね。
★ 最新の難易度や合格率からみる対策法も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
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逆算法からくる「イケる!」と思える大切さ
2級建築施工管理技士の試験は、必須問題と選択問題があります。必須問題は出題問題を全て解答しなければなりませんが、選択問題に関しては指定解答数の解答だけでOK!
このことから分かる通り、全出題数は50問ですが必要解答数は40問なので・・40問の6割である24点取れればOK!全出題数(50問)から逆算して、26問(半分以上)間違えても合格ということになります。
補足
正確には50問全てを解答して間違えるのではなく、選択問題があるので「解答して間違えた数」と「解答しない問題数」を合わせて26問という意味です。
どうです?半分以上落としても合格!と言われると、これなら「イケるかも」って思いませんか。
合格するのに必要な逆算法とは、「これならイケる!」というやる気(モチベーション)を維持していくのに欠かせない方法です。
自分にしか出来ない勉強法の確立
次に必要なのは自分にあった勉強法で取り組むということです。
自分にあった勉強法とは、自身の仕事や生活スタイルを考えながら学習していく計画を立てることだよ
2級建築施工管理技士の一次検定を合格するのに、「一夜漬け」ってわけにはいきません。資格学校に通わなくても独学で合格することはできますが、最低限の勉強期間が必要です。
ここでポイントなのは仕事をしながら勉強を継続する難しさ!
2級建築施工管理技士を取得するのに一番大切なのは、「勉強をいかに継続できるか!」この一点です。では継続するにはどうするか、ここでは継続に必要な自分専用の勉強法を紹介していきます。
一次検定試験の出題傾向を知る
まずは試験における出題傾向を知ることがポイントです。一次検定は大きく分類で分けると次の3区分。
① 環境工学
② 施工管理法
③ 法規
3つの区分の中でそれぞれの細目に分かれますが、ここで大事なのが「どこで24点取るか」ということ。
例えば、構造力学が苦手な人がいるとします。苦手な分野はいくら勉強しても頭に入ってこないので、時間ばかり消費して最後は嫌になりモチベーションの低下に繋がります。なので一番自分が得意な分野から勉強していくのが大事!
ここで勉強を進める注意点として、特に気を付けなければならないポイントを紹介します。
・テキストでは『1ページ目』から勉強を始める
・問題集では『問 1』から解いていく
このやり方は特におすすめできない学習法です。理由は2級のテキストは300~500ページぐらいあるので、途中から戦意喪失に陥りやすくなります。
問題集については苦手な分野の問題に差し掛かったところで嫌になってしまうことが多い。
すると得意分野は頭に入りやすく勉強が取り組みやすいので、モチベーションを維持しやすいです。
必須問題と選択問題による効率的な使い分け
㊤でも紹介した通り一次検定には「必須問題・選択問題・基礎的能力問題」がありますが、勉強を進める上で必須問題や基礎的能力問題から始めるのがおすすめ!
まず区分別による必須問題と選択問題の内訳を見てみましょう。
必須問題と選択問題の内訳
・「環境工学~建築材料」出題数14問で、9問解答(選択問題)
・「設備その他」出題数3問で、3問解答(必須問題)
・「躯体施工・仕上施工」出題数11問で、8問解答(選択問題)
・「施工計画~安全管理」出題数10問で、10問解答(必須問題)
・「基礎的能力問題」出題数4問で、4問解答(必須問題)
・「法規」出題数8問で、6問解答(選択問題)
◎「合計」出題数50問で、40問解答
効率的に点数を稼ぐのに有効なのは、必須問題と選択問題をうまく使い分けることです。選択問題はわからない問題があったときに、必要解答数以内なら解かずに飛ばすことが可能!
全ての解答が必要な必須問題は重要ポイントなので、必須問題から取り掛かるのもおすすめ。大事なのはどこで24点を取るか、なのでそこを組み立てます。
仮に10点は取れなくても8点取れれば残り16点!というように、逆算して「どこで何点とるか」を自分の中で決めておきます。
このようにまずは得意分野や必須問題から勉強していき、最終的に24点以上にしていくやり方が気持ちを乗せやすいです。
点数配分のポイント
24点を目指して本番で24点を取るのは難しいので、設定は30点ぐらいに設定。
例:「環境工学~建築材料 8点」「設備その他 2点」「躯体施工・仕上施工 5点」「施工計画~安全管理 8点」「応用能力問題 2点」「法規 5点」➡合計 30点
得意な分野から点数を取って苦手な分野は取り組まない、これがやる気を維持するコツ!
★ 試験制度の変更ってどう変わったの?との疑問にわかりやすく内容を説明した記事も紹介してます。
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試験合格に特化した効率的勉強法
さていよいよ本格的な勉強の仕方ですが、基本 過去問題を徹底的にやり込むだけです。
基本的な勉強法は、過去問題集をしっかりやり込めば大丈夫!
最近の過去問題集は、ただ単に過去に出題された問題が載っているだけでなく、ポイントを踏まえた解説が解答欄に掲載されてます。もちろん事前にテキストで勉強をした上で問題集を解く、というのが王道の勉強法です。
ただ仕事をしながら勉強していく上で大事なのは、効率的に勉強をして合格するということが前提!時間をかけての勉強だとどうしても嫌気が差しやすくなるんですよね。
なのでテキストに関しては「わからない時だけ使用する」ぐらいで、基本は過去問題集の徹底攻略!
私が使用したおすすめ過去問題集を紹介
過去問題集を徹底攻略するのに、私も使用した過去問題集を紹介します。
私のおすすめは地域開発研究所の過去問題集です。過去9回分の問題(解答・解説付)が収録されていているので、十分理解度が得られます。
【過去問題集の収録範囲】
・R5年度 前期・後期試験
・R4年度 前期・後期試験
・R3年度 前期・後期試験
・R2年度 後期試験
・R元年度 前期・後期試験
◆ 計9回分の試験問題を掲載
※ R2年度はコロナの影響で後期試験のみ
さらにR5年度~R元年度までの二次検定問題と解説も収録されているので、傾向や対策を学ぶのに十分ですね。
よって、ここでは地域開発研究所の問題集を使用した時の説明をしていきます。
成果に差が出る勉強法|帯で問題を解く
そして学習する上で頭に残りやすい(成果が出る)勉強法は、帯で問題を解いていくこと!
地域開発研究所の問題集は、年度ごとに過去9回分の試験問題が掲載。一般的な勉強の仕方は、年度ごとに「№1から№50」まで通して問題を解いていくと思います。
【例1】
・各年度の50問を、№1から№50まで順番に解答していく。
実は一般的なこのやり方はかなり効率が悪いんです。なぜかというと分野別の問題が次々と出てくるので、序盤にやった問題が頭に残りづらくなります。
過去問題集の冒頭には年度別出題内容一覧表が記載されていて見てもらうとわかりますが、各分野の問題№は各年度とも一緒なんですよね。
さらに直近9回分で、「どの問題が出題頻度が高かったか」もわかる表になってます。
例2
・環境工学の№は、問1・2・3
・構造力学の№は、問8・9・10
・建築材料の№は、問11・12・13・14 等
なので問1から問50までを順番に解いていくのではなく、次のように解いていきます。
【例3】
・環境工学なら、R5年(後期)の問題№1・2・3を解いたら№4ではなく「R5年(前期)の№1・2・3をやる」⇒次はR4年の(後期)№1・2・3…等
・建築材料なら、R3年(前期)の問題№11・12・13・14を解いたら№15ではなく「R2年(後期)の№11・12・13・14をやる」⇒次は令和元年(後期)№11・12・13・14…等
過去問題集はR5年度(後期)~令和元年度(前期)まで、計9回分の試験問題が掲載されてます。その9回分、すべて同じ分野(構造力学など)の問題(№)を解いていく。
注意R3年度からは基礎的能力問題(4問)が追加になったので、R2年度以前とは出題№がズレてます。
※ 基礎的能力問題以外は、4肢1択(4肢の中で答えが1つ)のマークシート方式です。
問題を縦に解かずに、横に解いていく(帯のように)のが最も効果的なんですよね。このやり方の特徴はひたすら同じ分野の問題を何度も連続して解くことになるので、かなり頭に残りやすいです。
さらに同類の問題をやり続けることにより、どのような流れで出題されているのか出題傾向が見えてきます。
過去問題集の活用方法
ここで過去問題集の実用的な活用方法を紹介します。問題集をやり始めるとわかりますが、過去に出題された(同じような)問題ってけっこう多いんですよね。
もう一つのポイントは、問題の約9割が「最も不適当なものはどれか」という間違い探しとなっていること。文章中の間違い箇所が、類似して出題されているので、ここでも得点しやすいです。
補足残りの1割は「正しいものはどれか」で出題されるので、問題はしっかり読もう!
次に大事なポイントを紹介しますが、過去問題集を見てみると問題のすぐ下に解答と解説が掲載されています。
ここで答えが正解、不正解に関わらず必ず解説を熟読して、なんで正解なのか不正解なのかを確認してから次に進むのがポイント!理由は解説を熟読しないとテキストで事前学習をしていないので、傾向が解っていても頭には残らないんですよね。
おすすめのテキストは、市ヶ谷出版社の2級建築施工管理技士 要点テキスト。
理由は要点だけをまとめてあるテキストになっていて、とても見やすく活用しやすいのが特徴です。
試験合格の決め手は捨てる勇気を持つ
そして最後のポイントで、最も重要なことを紹介します。
それは・・どうしても理解しがたい問題(不得意分野)は捨てる!ということ。
【捨てる勇気を持つ理由】
① 50問中40問答えれば良いので、まず10問は捨てられる
② 次に40問中24問以上正解で合格なので、ここでも16問間違えても大丈夫
③ よってトータルで、26問間違えても(捨てても)合格できる
④ 30点を目指すとしても、計20問は捨てても問題ない
捨てる勇気を持つ意味合いとして、時間がない中でいかに効率よく勉強できるかがポイント!その上で理解しにくい問題(苦手分野)に、時間を掛けるのはとても非効率です。
なので問題によっては初めから捨てるという勇気を持つことが最も重要!
効率の良い必勝勉強法
・貴重な時間を苦手分野で消費しない
・得意分野の問題を中心に時間を費やす
・非効率を避けた勉強法
おすすめの施工経験記述の添削や作文代行
1次検定合格後、及び同日に2次検定を受験される方に、おすすめな施工経験記述の添削や作文代行を紹介します。
私が紹介するのは、施工管理技士「独学サポート」です。
2次検定の最大の対策ポイントは、施工経験記述となりますが、理由は全設問の中で一番配点(全体の約4割)が多いからです。
さらに施工経験記述は、最低基準の文章内容や構成ができないと、他の設問をすべて正解したとしても不合格となります。
ただ、それだけ大事な施工経験記述を、苦手や不安としている人は意外と多いです。
【よくある不安要素】
・はじめての挑戦で、書き方がわからない
・何度も不合格になっているので、記述に自信がない
・自身の経験でもイメージがわかないので、作文できない
過去問の解答凡例を参考にしても、「うまく落とし込めない」「自分の経験とパターンが違う」という声はよく聞きます。
よって2次検定、とりわけ施工経験記述については、プロに作文してもらったり、添削を依頼すると合格率がグッと上がります。
仕事をしながらの勉強は、それでなくても時間が足りないので、施工経験記述の作成はとても大変。
なので現場経験が豊富な方や、作文が得意な人以外は、合格をより確実にするためにサポートを活用するのはおすすめです。
試験合格に特化した効率的勉強法のまとめ
【独学】2級建築施工管理技士(一次検定)|試験合格に特化した効率的勉強法
・独学で資格を取得する為に必要な考え方を理解する
・合格に必要な点数を逆算から設定する
・出題傾向を把握して効率良く学習
・過去問題集は帯で解答していく
・不得意な問題は捨てる勇気を持つ(満点はいらない)
冒頭で建築を学んではいけないと紹介しましたが、建築というジャンルは数ヶ月勉強しただけで習得できるほど簡単なものではありません。
なので試験日までの限られた時間の中で、いかに試験の合格に必要な部分だけ学ぶ! という特化した勉強法が必須となります。この取り組みが合格への最大の近道ということを忘れないでください。
長い文章となりましたが、この記事を参考にして一人でも多くの方が合格していただけければ幸いです。
資格試験における難易度は年々高まっていますが、2級建築施工管理技士についてはどうでしょうか? 結論から言うと、他の資格からみて2級建築施工管理技士の難易度はそれほど高くないです。 本当?と[…]
2級建築施工管理技士の二次検定を独学で合格できる対策勉強法を紹介します。 二次検定は一次検定と違い、独学では厳しいと思ってる方が多いですが、まったくそんなことはありません。 合格するための計画性や急所を押えた勉強法なら、誰でも合[…]
2021年度より、施工管理技士における試験制度の変更が導入されました。1、2級施工管理技士の技術検定試験は「第1次検定と第2次検定」に再編され、新たに技士補が創設されることに! ・今までとどう変わるの? ・第1次検定と第[…]
★ 二次検定の施工経験記述に「自信がない」「書き方がわかない」と不安な方におすすめな独学サポート!
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