令和6年度(2024)の1級建築施工管理技士(一次検定)を、独学でも試験合格できる勉強法を紹介します。近年は難易度が上がっていることから、独学でも大丈夫?と不安ですよね。
結論を言うと大丈夫ですが、何の対策もなく勉強するだけでは厳しいです。資格試験は仕事をしながら取得を目指すので、時間が無い中で「どう合格するか!」に特化した勉強法で取り組めるかがポイント!
この記事を読んでわかること!
・ 独学で資格を取得する為に必要な心構え(考え方)
・ 自分にしかできない勉強法の確立
・ 試験合格に特化した(無駄を省いた)効率的な勉強法
独学で試験合格するために、必要な特化した勉強法を紹介していきます。記事を読み終えるころには、独学でも合格できる!と自信が持てますよ。
(※ この記事は2024年5月に更新してます)
独学で資格を取得する為に必要な3つの理解
さっそく勉強法を紹介!といく前に大事なポイントがあります。それは合格するために欠かせない、「独学で資格を取得する」という根本的な考え方の理解です。
当たり前のことですが、どこまでいっても勉強せずに合格することはできないですよね。冒頭でも紹介した通り、資格を取得するには仕事と勉強の両方を併用しなければならないので・・正直大変かと。
なのでまずは挫折しないために、必要な考え方の理解を3つに分けて確認していきます。
① 1級建築施工管理技士という資格の理解
まず1つ目、1級建築施工管理技士はどんな資格?という根本的な部分から説明しますが、資格の中身ということでなく正確に言うと「重み」です。
以前は経験があれば資格がなくても通用しましたが、今はそういう訳にはいかないんですよね。
ポイント現在は施工管理技士を取得している有資格者がいないと、ある一定(請負額や規模)以上の仕事を請負うことができません。
よって、1級建築施工管理技士という資格の重みは年々増しています。その意味からしても、価値のある資格だということを理解してください。
② 資格取得によるメリットの理解
次に資格を取得すると、どれだけメリットがあるかを説明します。
先ほども触れましたが、現在は建設業法の規定により案件によって、有資格者(施工管理技士 等)がいないと、仕事を受注することができません。なので、各ゼネコン(建設会社)や関連企業における1級建築施工管理技士の需要は高いんですよね。
このように資格を取得した時のメリットは、仕事環境における待遇や就職(転職)において絶大です。
資格取得という目的が、自身の願望に直結していると大きな成果が出やすいので、ここの部分の理解があるかないかで、モチベーションは大きく変わってきます。
③ 独学で試験合格する為に必要な考え方の理解
最後は独学で試験合格するために、欠かせない考え方になりますが、建築そのものを勉強しないことです。
え!と思うかもしれませんが、分かりやすく言うと建築全般ではなく・・「合格の仕方を学ぶ」ということ!建築に限りませんが、専門分野の課題は範囲が広いので、一定期間の勉強で習得するのはそもそも難しい。
実際、試験に合格できなかった人の多くに「共通した理由」が存在します。
・ 仕事を終えて疲れてる状態での勉強なので、おろそかになりやすい
・ 数日ではなく長期にわたる勉強の継続なので、挫折しやすい
・ 家庭環境などによる、勉強時間の確保が難しい(取りづらい)
他にもありますが、主だった理由はこの3つ。よって、これらの挫折原因を見越した勉強法が求められます。
具体的なやり方は後ほど詳しく説明しますが、限られた時間の中で目的を達成するためには、合理的な取り組みでないと結果はついてきません。
そこを踏まえた認識や理解があると、合格という結果がグッと近づいてきます。
一次検定試験を合格するのに必要な逆算法
それでは具体的な勉強法を紹介していきますが、ポイントは合格点から逆算して対策を立てること!
まず 1級建築施工管理技士の一次検定を合格するのに、何点必要かを確認します。
R3年度から試験制度が変更され、「午前の部の問題が44問、午後の部の問題が28問、合計72問」(必要解答数 60問)となってます。(R2までの出題数は82問で、必要解答数は60問)
このうち必要解答数の6割(36/60問)以上の正解と、新たに追加された応用能力問題6問のうち、4問以上の正解で合格となります。(後で詳しく説明)
ここで大事なのが、合格点の捉え方!
・36点取らなければならない!と思うのか
・36点取れば合格できる!と思うのか
このように捉え方によって、勉強しようというモチベーションが大きく変わってきます。
どうしてもはじめは「36点取らなければ」と気負いがちですが、裏を返せば36点(半分)落としても合格できる!ということなんですね。
★ 最新の難易度や合格率からみる対策法も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
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逆算法からくる「イケる!」と思える大切さ
1級建築施工管理技士の試験は、必須問題と選択問題があります。必須問題は出題問題を全て解答しなければなりませんが、選択問題に関しては指定解答数の解答だけでOK!
このことから分かる通り、全出題数は72問ですが必要解答数は60問なので・・60問の6割である36点取れればOK!全出題数(72問)から逆算して、36問(半分)間違えても合格ということになります。
補足
正確には72問全てを解答して間違えるのではなく、選択問題があるので「解答して間違えた数」と「解答しない問題数」を合わせて36問という意味です。
どうです?半分落としても合格!と言われると、これなら「イケるかも」って思いませんか。
合格するのに必要な逆算法とは、「これならイケる!」というやる気(モチベーション)を維持していくのに欠かせない方法です。
自分にしかできない勉強法の確立
次に必要なのは、自分に合った勉強法で取り組むということです。
1級建築施工管理技士の一次検定を合格するのに、「一夜漬け」ってわけにはいきません。資格学校に通わなくても独学で合格することはできますが、最低限の勉強期間が必要です。
ここでポイントなのは、仕事をしながら勉強を継続する難しさ!
1級建築施工管理技士を取得するのに一番大切なのは、勉強をいかに継続できるか!この一点です。では継続するにはどうするか、ここでは継続に必要な自分専用の勉強法を紹介していきます。
一次検定試験の出題傾向を知る
まずは、試験における出題傾向を知ることがポイントです。一次検定は大きく分類で分けると次の4つ。
① 建築学
② 施工共通
③ 施工管理法(応用能力問題 含む)
④ 法規
4つの分類の中で、それぞれの区分に分かれますが、ここで大事なのが「どこで36点取るか」ということ!
例えば、構造力学が苦手な人がいるとします。苦手な分野はいくら勉強しても頭に入ってこないので、時間ばかり消費して最後は嫌になりモチベーションの低下に繋がります。なので、一番自分が得意な分野から勉強していくのが大事!
ここで勉強を進める注意点として、特に気を付けなければならないポイントを紹介します。
・テキストでは『1ページ目』から勉強を始める
・問題集では『問 1』から解いていく
このやり方は特におすすめできない学習法です。理由は、1級のテキストは1,000ページぐらいあるので、途中から戦意喪失に陥りやすくなります。
問題集については、苦手な分野の問題に差し掛かったところで嫌になってしまうことが多い。
なので「順を追って」は無視して、得意分野のところから勉強を始めるのがコツ!
すると得意分野は頭に入りやすく、勉強が取り組みやすいので、モチベーションを維持しやすいです。
必須問題と選択問題による効率的な使い分け
㊤でも紹介した通り、一次検定には「必須問題・選択問題・応用能力問題」がありますが、勉強を進める上で必須問題や応用能力問題から始めるのがおすすめ!
まず分類別による必須問題と選択問題の内訳を見てみましょう。
必須問題と選択問題の内訳
●午前の部
・「建築学」出題数20問で17問解答(選択問題)
・「躯体・仕上」出題数19問で14問解答(選択問題)
・「施工管理法」出題数5問で5問解答(必須問題)
●午後の部
・「施工管理法」出題数10問で10問解答(必須問題)
・「応用能力」出題数6問で6問解答(必須問題)
・「法規」出題数12問で8問解答(選択問題)
◎「合計」出題数72問で60問解答
効率的に点数を稼ぐのに有効なのは、必須問題と選択問題をうまく使い分けることです。選択問題はわからない問題があったときに、必要解答数以内なら解かずに飛ばすことが可能!
全ての解答が必要な必須問題は重要ポイントなので、必須問題から取り掛かるのもおすすめ。大事なのはどこで36点を取るか、なのでそこを組み立てます。
仮に15点は取れなくても12点取れれば残り24点!というように、逆算して「どこで何点とるか」を自分の中で決めておきます。
このようにまずは得意分野や必須問題から勉強していき、最終的に36点以上にしていくやり方が、気持ちを乗せやすいです。
点数配分のポイント
36点を目指して本番で36点を取るのは難しいので、設定は42点ぐらいにします。
例:「建築学 13点」「躯体・仕上 10点」「施工管理法 10点」「能力問題 4点」「法規 5点」➡合計 42点
得意な分野から点数を取って苦手な分野は取り組まない、これがやる気を維持するコツ!さらに令和3年度から追加された応用能力問題では、6問出題中、4問正解しないと、トータルで36点取ったとしても不合格になってしまいます。
なので施工管理法から、勉強を始めることが特に必要ですね。ただ応用能力問題は特別な問題というではなく、施工管理法の中(出題区分が一緒)から出題されるので、出題範囲が広がったわけではありません。
※ 応用能力問題以外は、4肢1択(4肢の中で答えが1つ)のマークシート方式です。
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試験合格に特化した効率的勉強法
さていよいよ本格的な勉強の仕方ですが、基本 過去問題を徹底的にやり込むだけです。
最近の過去問題集は、ただ単に過去に出題された問題が載っているだけでなく、ポイントを踏まえた解説が解答欄に掲載されてます。もちろん事前にテキストで勉強をした上で問題集を解く、というのが王道の勉強法です。
ただ仕事をしながら勉強していく上で大事なのは、効率的に勉強をして合格するということが前提!時間をかけての勉強だと、どうしても嫌気が差しやすくなるんですよね。
なのでテキストに関しては「わからない時だけ使用する」ぐらいで、基本は過去問題集の徹底攻略!
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私が使用したおすすめ過去問題集を紹介
過去問題集を徹底攻略するのに、私も使用した過去問題集を紹介します。
私のおすすめは、地域開発研究所の過去問題集です。過去7年分の問題(解答・解説付)が収録されていて、7年分をやり込めば十分理解度が得られます。
地域開発研究所の過去問には、ページのはじめの方に年度別出題内容一覧表が記載されています。一覧表には、各区分の問題が年度ごとに「どのような問題が出ているのか」が、一目でわかるのでおすすめです。
よってここでは、地域開発研究所の問題集を使用した時の説明をしていきます。
★ 他にも1級建築施工管理技士(一次検定試験)で、おすすめの過去問題集を紹介してるので良ければ見てください。
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成果に差が出る勉強法|帯で問題を解く
そして学習する上で、頭に残りやすい(成果が出る)勉強法は、帯で問題を解いていくこと!
地域開発研究所の問題集は、年度ごとに過去7年分の試験問題が掲載。一般的な勉強の仕方は、年度ごとに「問1から問72」まで通して、問題を順に解いていくと思います。
【例1】
・令和5年~3年度なら72問を「№1から№72」まで順番に解答していく
・令和2年度以前なら82問を「№1から№82」まで順番に解答していく
実は一般的なこのやり方は、かなり効率が悪いんです。なぜかというと、分野別の問題が次々と出てくるので、序盤にやった問題が頭に残りづらくなります。
過去問題集の冒頭には、年度別出題内容一覧表が記載されていて、見てもらうとわかりますが、各分野の問題№は各年度とも一緒なんですよね。
さらに直近7年で、「どの問題が出題頻度が高かったか」もわかる表になってます。
【例2】
・環境工学の№は、問題№ 1・2・3
・建築材料の№は、問題№ 11・12・13・14・15
・設備その他の№は、問題№ 16・17・18・19・20 等
なので、問1から問72までを順番に解いていくのではなく、次のように解いていきます。
【例3】
・環境工学なら、令和5年の問題 № 1・2・3を解いたら№4ではなく「令和4年の№1・2・3をやる」⇒次は令和3年の№1・2・3…等
・建築材料なら、令和5年の問題 № 11・12・13・14・15を解いたら№16ではなく「令和4年の№11・12・13・14・15をやる」⇒次は令和3年の№11・12・13・14・15…等
過去問題集は令和5年度から平成29年度までの、計7年分の試験問題が掲載されてます。その7年分、すべて同じ分野(環境工学など)の問題(№)を連続で解いていく。
注意応用能力問題が追加されたことで、「令和5年~3年度」と「令和2年度以前」の出題№は、違っている(ズレている)箇所があるので注意!
問題を縦に解かずに、横に解いていく(帯のように)のが最も効果的なんですよね。このやり方の特徴は、ひたすら同じ分野の問題を何度も連続して解くことになるので、かなり頭に残りやすいです。
さらに同類の問題をやり続けることにより、どのような流れで出題されているのか、出題傾向が見えてきます。
過去問題集の活用方法
ここで過去問題集の、実用的な活用方法を紹介します。問題集をやり始めるとわかりますが、過去に出題された(同じような)問題ってけっこう多いんですよね。
もう一つのポイントは、問題の約9割が「最も不適当なものはどれか」という間違い探しになっていること。文章中の間違い箇所が類似して出題されているので、ここでも得点しやすいです。
補足残りの1割は「正しいものはどれか」で出題されるので、問題はしっかり読もう!
次に大事なポイントを紹介しますが、過去問題集を見てみると問題のすぐ下に解答と解説が掲載されています。
ここで答えが正解、不正解に関わらず、必ず解説を熟読して「なんで正解なのか不正解なのか」を確認してから次に進むのがポイント!理由は解説を熟読しないと、テキストで事前学習をしていないので、傾向が解っていても頭には残らないんですよね。
おすすめのテキストは、市ヶ谷出版社の1級建築施工管理技士 要点テキスト。
理由は、要点だけをまとめてあるテキスト(約350P)になっていて、とても見やすく活用しやすいのが特徴です。
★ 他にも1級建築施工管理技士(一次検定)で、おすすめのテキスト(参考書)を紹介してるので良ければ見てください。
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試験合格の決め手は捨てる勇気を持つ
そして最後のポイントで、最も重要なことを紹介します。
それは・・どうしても理解しがたい問題(不得意分野)は捨てる!ということ。
【捨てる勇気を持つ理由】
① 72問中60問解答すれば良いので、まず12問は捨てられる
② 次に60問中36問以上正解で合格なので、ここでも24問間違えても大丈夫
③ よってトータルで、36問間違えても(捨てても)合格できる
④ 42点を目指すとしても、計30問は捨てても問題ない
※ 応用能力問題は、6問中4問は必ずとる!
捨てる勇気を持つ意味合いとして、時間がない中でいかに効率よく勉強できるかがポイント!その上で理解しにくい問題(苦手分野)に、時間を掛けるのはとても非効率です。
なので問題によっては、初めから捨てるという勇気を持つことが最も重要!
効率の良い必勝勉強法
・貴重な時間を苦手分野で消費しない
・得意分野の問題を中心に時間を費やす
・非効率を避けた勉強法
試験合格に特化した効率的勉強法のまとめ
【独学】1級建築施工管理技士(一次検定)|試験合格に特化した効率的勉強法
・独学で資格を取得する為に必要な考え方を理解する
・合格に必要な点数を逆算から設定する
・出題傾向を把握して効率良く学習
・過去問題集は帯で解答していく
・不得意な問題は捨てる勇気を持つ(満点はいらない)
冒頭で建築を学んではいけないと紹介しましたが、建築というジャンルは数ヶ月勉強しただけで、習得できるほど簡単なものではありません。
なので試験日までの限られた時間の中で、いかに試験の合格に必要な部分だけ学ぶ! という特化した勉強法が必須となります。この取り組みが、合格への最大の近道ということを忘れないでください。
長い文章となりましたが、この記事を参考にして一人でも多くの方が合格していただけければ幸いです。
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