1級建築施工管理技士の二次検定を独学で合格できる対策勉強法を紹介します。
二次検定は一次検定と違い、独学では厳しいと思ってる方が多いですが、まったくそんなことはありません。
合格するための計画性や急所を押えた勉強法なら、誰でも合格できます!
【この記事を読んで得られる内容】
・独学でも合格できる理由
・再現性の高い対策勉強法
・おすすめの過去問題集やテキスト
効率的な対取り組みをわかりやすく解説するので、参考にしてみてください。
二次検定が独学で合格できる理由
二次検定の合格を、独学では厳しいと思う主な理由。
・一次検定と違い、マークシートではなく記述なので厳しい
・二次検定の勉強の仕方がわからない
・施工経験記述の書き方がわからない
それぞれ説明していきます。
一次検定は4肢1択のマークシートなので、わからなくても25%の確率で正解できました。
その意味で、記述だと難易度は確かに上がります。
しかし統計で見てみると、一次検定と比べて、さほど難易度は変わってないんですよね。
事実、R3年度の合格率は「一次検定:36.0%」「二次検定:52.4%」と、二次検定の方が高い!
★ 1級建築施工管理技士の最新の難易度や合格率はこちらで詳しく紹介してます。
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過去問題集による出題傾向の把握
次に二次検定の勉強の仕方ですが、出題傾向を把握することが最も大事!
記述は暗記が中心となるので、覚える量が多いと挫折する可能性が高まります。
なので、まずは各設問における出題形式を過去問題集を利用して把握!
把握した形式内容をポイントを絞って、効率良く学習していくことで合格率は格段にアップします。
私は資格学校には通わず、過去問題集の学習だけで合格できました。
ポイントは、無駄を省く勉強の仕方や必要加点に特化した取り組みができれば、誰でも独学で合格できます。
次項より、順番に各設問の対策や取り組み方を説明していきますね。
出題設問の形式パターンを把握
それでは、出題範囲や形式を確認してみましょう。
出題項目
問題1 施工経験記述
問題2 仮設・安全
問題3 躯体施工
問題4 仕上げ施工
問題5 施工管理
問題6 法規
設問は毎年、この6項目からの出題。
解答は記述なので、暗記が中心のスタイルになります。
ただ、一次検定と同じく、合格基準点は6割(100点が満点なら60点)なので、難易度は高くありません。
なので、各設問で何点とるかを逆算して決めておき、最終的に6割を超えるような取り組みが最も有効!
★ 一次検定を合格するための逆算勉強法も紹介しているので、参考にしてください。
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それぞれの設問ごとに詳しく説明していきます。
施工経験記述
6つある項目の中で一番大事な設問で、その理由は2つ。
① 配点が全体の約3割(32点)あるので比重が大きい。
② ある程度(約28点)の解答をしないと不合格になる。
それぞれ説明します。
まず①ついて、6割が合格基準点の中にあって、全体の3割を占める配点なので、他の設問に比べて比重はかなり大きいです。
次の②に関しては、合格する上で最も大事なポイント!
合格基準点(6割)からみて、施工経験記述(約32点)が 0点と仮定したとき、それ以外の設問を全て正解すると 68点になります。
通常だと全体の6割を超えているので合格となりますが、不合格!
二次検定の受験資格の中に、一定期間の実務経験が必要とあります。
よって自身が経験した、現場での管理指導や取り組みを、具体的に記述できないと、実務経験がないと判断されて不合格となってしまうんですね。
補足
実務経験年数に関しては、学歴や専攻学科などにより年数が違うので、詳しくは建設業振興基金(主催元)のホームページを参照してください。
この点1つ見ても、合格できるかどうかは 施工経験記述で決まる!と言っても過言ではありません。
令和4年度の課題予想と取り組み方
施工経験記述では「品質計画・施工合理化・建設副産物・安全管理」の指定された4つ課題に対して、『留意した事項』『実施した処置や対策』『現場で行った取組み』など、具体的に記述することになります。
この中で「安全管理」に関しては、過去10年以上出題されたことがありません。
さらに、直近の3年は「品質管理」と「施工の合理化」が交互に出題されていて、前回(R3年度)は品質管理でした。
そこを踏まえてR4年度の出題課題を予想すると、可能性が高い順に、①施工の合理化→②建築副産物対策→③品質管理と思われます。
よって、課題に対しても柔軟に取り組むことが必要。
なので、本命の施工の合理化だけでなく、他の課題が出ても対処できるような取り組みにしていく。
具体的に順を追って説明します。
まず経験記述の作文ですが、事前に行うのがポイント。
理由二次検定の試験時間は3時間ありますが、設問は他にも5つあります。
よって、その場で文章構成していると間に合わない可能性がとても高い。
以上の点を踏まえ、事前に作文した文章を暗記して臨むのがベスト!
ただし、設問は1つの課題に対して複数の解答を求められるので、3つの課題をすべて暗記していくのはかなり厳しいです。
なので、しっかり事前に対策をしていくことが求められます。
施工経験記述の対策
㊤でも触れたように、優先度の高い課題から勉強を始めますが、必ず予想した課題が出るとは限りません。
よって、まずは本命の課題(施工の合理化)から覚えていき、他の課題に関しては、キーワードを活用した取り組みをします。
(キーワードとは、各課題(品質管理など)で作文したときに使用する語句)
まず本命である施工の合理化は、作成した文章をすべて暗記。
次に有力な建築副産物対策ですが、作文で求められるキーワードをいくつか決めておき、施工の合理化で作文した文章を元に、リライト(書き換え)していく。
本命以外の課題が出た時の対応
① 覚えている「施工の合理化」の文章を、「建築副産物対策や品質管理」の文章にその場で組み替え。
② 組み替え方は、事前に決めておいた「キーワードの語句」を入れ変えて使用し、その場で構成。
違う内容の文章を構成し直すのは少し無理があるように思えますが、「同じ現場」で「同じ工種」の内容なので、キーワード(語句)を入れ替えて作成し直すのは、さほど難しくはありません。
不安なら暗記しないまでも、事前に練習はしておくと本番でスムーズに構成できます。
空欄は絶対につくらない!
最後に一番大事なポイントですが、施工経験記述に関しては、一箇所も空欄(くうらん)があってはいけません!
どうしてもうまく構成(作文)できない時は、課題から少しずれてしまっても構わないので、必ず何かしらの記述しましょう。
空欄で不合格になるよりは、「課題に対する記述のズレによる減点」を選ぶことの方が大事なので、何かしら記述することが最大のポイント!
文章の構成の仕方などを含め「私が実際に経験した施工経験記述内容」を、詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
今回は、1級建築施工管理の第二次検定における施工経験記述の書き方を紹介したいと思います。 施工経験記述は、自分自身が経験した現場施工における記述となりますが、自分が経験したこととはいえ、指定された課題に則って文章を[…]
仮設・安全
次に設問の2番目「仮設・安全」、配点予想は12点。
この設問は施工記述の次に大事なポイントで、理由は、6つの設問の中で一番予想しやすいからです。
「仮設計画」か「安全管理」のどちらかに対する「留意事項や対策」を記述する設問で、毎年ほぼ交互に出題されています。
3つの指定項目があり、その項目に対して記述して行きますが、例えとして項目を紹介。
R3年度の出題項目「安全管理」
次の1. から3. の建築工事における仮設物の設置を計画するに当たり、留意及び検討すべき事項を2つ具体的に記述しなさい。
1. 仮設ゴンドラ
2. 場内仮設事務所
3. 工事ゲート(車両出入口)
1つの項目に対し、2つの対策を記述するので、計6つの具体的な安全対策を記述することになります。
出題パターン
設問の中で唯一、毎年決まった傾向で出題されるので、対策を取りやすいです。
過去の出題パターンを見ると「2年連続で同じ項目が出題される」ことはなかったが、2018年度と2019年度で「仮設計画」が出題されたので、絶対ではなくなった。
ただ昨年は「安全管理」だったので、2021年度は「仮設計画」の可能性が高いです。
かつ、過去10年の出題パターンから見ると、出題される項目はほとんど同じ内容。
なので過去に出た項目の中で、上記3つ(2019年度)以外の内容項目を勉強しておけば、点数を取る可能性がかなり高くなります!
実地試験は、たとえ予想しづらい課題であったとしても、点数を稼ぐ為に覚えなければならない項目が多くあるので、出題内容が予測出来る問題はとても有り難いです。
そういう意味からしても、「施工経験記述と仮設・安全」で何点稼げるかが、「合否を分ける!」と言っても過言ではないかと!
配点は6つの記述に対し、それぞれ2点ずつで計12点と予想、この設問では10点以上は確保したいです!
躯体施工
次に設問の3番目「躯体施工」、配点予想は16点です。
「躯体施工」と、次の設問の「仕上げ施工」は、最も出題予想しにくい設問となっています。
出題範囲
・仮設工事
・土工事
・地業工事
・鉄筋工事
・コンクリート工事
・鉄骨工事
出題パターン
① 施工上の留意事項を記述する問題
② 施工に関する工事の文章内にある「間違い語句か数値」を選んで、「正しい語句か数値」に直す問題
出題パターンは、①か②のどちらかが毎年交互に出題!
①の留意事項は「4つの工事」が指定され、1つの工事に対して2つの留意事項を具体的に記述となっており、8つの解答となるので、予想配点は1箇所2点で16点。
②の「間違い語句・数値直し」の方は16問の解答なので、1箇所1点で16点の配点です。
上記の工事が更に分類に分かれて、それがランダムに出題されるので、かなり広範囲となっています。
攻略方法
さらに2年連続で同じ項目が出題されることもあるので、出題箇所の予想はかなり難しいです。
対策をするとしたら、過去問題集に「過去の出題一覧表」があります。
その中で、出題回数が多い分類(工事)を探し、その分類を優先して覚えて行く方法しか残念ながら対策はありません!
一番点数を取りづらい設問なので、なんとか半分の8点を目指しましょう!
仕上げ施工
次に設問の4番目「仕上げ施工」、配点予想は16点です。
「躯体施工」の時にも触れましたが、「仕上げ施工」も同じく、出題予想がしにくい設問です。
出題範囲
・防水工事
・石工事
・タイル工事
・屋根・とい工事
・金属工事
・左官工事
・建具・ガラス工事
・塗装工事
・内装工事
出題パターン
① 施工上の留意事項を記述する問題
② 施工に関する工事の文章内にある「間違い語句か数値」を選んで、「正しい語句か数値」に直す問題
出題パターンは、①か②のどちらかが毎年交互に出題!
①の留意事項は「4つの工事」が指定され、1つの工事に対して2つの留意事項を具体的に記述となっており、8つの解答となるので、予想配点は1箇所2点で16点。
②の「間違い語句・数値直し」の方は16問の解答なので、1箇所1点で16点の配点です。
上記の工事が更に分類に分かれて、それがランダムに出題されるので、かなり広範囲となっています。
設問3と設問4の、唯一確定しているパターンがこちら。
確定パターン
・「躯体施工」が留意事項なら「仕上げ施工」は間違え探し
・「躯体施工」が間違え探しなら「仕上げ施工」は留意事項
今回の2020年度は、前年の2019年度が「躯体施工」が留意事項で、「仕上げ施工」が間違い探しだったので、『「躯体施工」が間違い探し、「仕上げ施工」が留意事項』の可能性が高いかと。
的を絞った勉強
「躯体施工」同様かなり広範囲、かつ取り組める対策も「躯体施工」と一緒です!
ここでポイントなのが、「躯体施工」と「仕上げ施工」は出題範囲が広いので、比較的出題率の高い工事(分類)に的を絞って勉強するのが得策だと思います。
どこの箇所が出題されるのか予想しづらい設問に、時間を掛けて勉強するのは非効率になりかねないので、出題予想がしやすい設問で、点数を稼ぐ(時間を掛ける)方がかなり効率的です。
「施工経験記述」以外の設問は足切り点が無いので、極端なことを言えば、「躯体施工」と「仕上げ施工」が0点だったとしても、他を全部取れれば合格!
例:「躯体施工」16点、「仕上げ施工」16点 合計32点
2つの設問が0点だったとしても、他を全部取れば68点で6割を超えるので合格となる。
なので、この分野が得意な人以外は、決めた箇所(的を絞って)以外は勉強しないと割り切ることがポイントだと思います。
施工管理
次に設問の5番目「施工管理」、配点予想は12点です。
この設問では、工程表を使用した課題となっていて、H28年度まで「バーチャート工程表」が課題とされてきましたが、H29年度以降は「ネットワーク工程表」が出題されているので、2021年度も「ネットワーク工程表」の可能性が高いです。
出題パターンは「市街地での事務所ビル建設工事」(構造RC)における、作業内容やネットワーク工程表からの所要日数の読み取り、文章の穴埋め問題などが主に出題!
作業内容・日数の読み取り・穴埋め問題それぞれ6問出題、各2点で計12点の配点。
ネットワーク工程表の理解が出来れば、比較的取りやすい設問だと思うので「仮設・安全」の次に大事な設問となります。
法規
最後の設問は「法規」、配点予想は12点です。
「躯体施工」と「仕上げ施工」より、出題範囲は広くないものの、中々予想しづらい設問ですね。
出題範囲
・建設業法
・労働安全衛生法
・建築基準法
出題形式は、それぞれの項目の法規文章(条文)が1題ずつ出ます。
1つの条文につき2箇所の穴埋めがあり、「当てはまる語句又は数値」を記入、割と範囲が広いので絞りづらいかと。
対策としては、各課題とも出題回数が多い条文があるので、そこを中心に勉強すると加点しやすいです。
出題回数が多い条文
・建設業法なら、法第24と26条
・建築基準法なら、令第136条 等
◎補足: 上記の見方は、法第24条なら建設業法第24条の意味で、24条の2とか3という具合に複数ある。
令第136条は、建築基準法施行令のことであり、建築基準法とは条文が違うので注意!
6問出題、各2点で、計12点の配点が予想です。
おすすめ過去問題集を紹介
ここで、おすすめのテキストと過去問題集を紹介!
おすすめのテキストは、GET研究所の「スーパーテキスト1級建築施工管理技術検定 実地試験」です。
実用性の高いテキストとなっていて、更に無料の動画解説がついているので、理解度を高めるのに最適!
過去問題集は、地域開発研究所の「1級建築施工管理第二次検定問題解説集」です。
過去10年の問題及び解説が収録されており、過去の出題に対する解答例も充実しているのでとてもおすすめかと。
合格への考察
ここまで6つの設問を見てきましたが、合格する為には6割(60点)必要です。
各設問の予想配点
・施工記述:32点
・仮設・安全:12点
・躯体施工:16点
・仕上げ施工:16点
・施工管理:12点
・法規:12点
◎ 合計100点
※ 実地試験は主催元が配点を公表しないので、正確な確証はありません
合格を目指す設定配点
・施工記述:28点
・仮設・安全:10点
・躯体施工:8点
・仕上げ施工:8点
・施工管理:8点
・法規:8点
◎ 合計70点
※ 6割が合格基準ですが、6割を目指して60点とるのは難しいので、目標は70点で設定
この設定配点は勉強をして行く上で、目安になるので非常に重要です。
㊤を踏まえて再度考察すると、「施工経験記述」に関しては、必ず試験時間の配分を考えて取り組んでください!
理由は「設問の一番初めにくる」ので、どうしてもここで多くの方が時間を要してしまい、残りの設問にかける時間がなくなる可能性があります。
気持ちに余裕を持てる対策
その上で改めて「施工経験記述」を考察すると、実地試験の要なので、ミスは許されません。
予想と違う課題が出たら、構成をし直さなければならないので更に時間を要します!
良く聞く話が、「施工経験記述」に時間を掛け過ぎて「時間が全く足りなかった!」です。
なので私が取った対策は「施工経験記述は最後に取り組む」、すると他の設問が先に終わっていて、残りの時間をすべて記述に掛けられるので、気持ちに余裕を持ってじっくり取り組むことが出来ます!
その他の設問の取り組み
・「仮設・安全」は、1番課題を予想しやすいので、出来れば満点の12点、悪くても10点は欲しい!
・「躯体施工」と「仕上げ施工」は、出題範囲が広く、かつ予想しづらいので、それぞれ半分の8点ずつ取れれば良い
・「施工管理」は、ネットワーク工程表を理解出来れば全部取れる可能性が高いので、12点中 8点以上は欲しい!
・「法規」は、出題回数が多い条文に的を絞り、条文全部を暗記するのではなく、穴埋めになりやすい箇所(語句や数値)を中心に覚えて行くと加点しやすいので、頑張って 8点を目指す
諦めない姿勢の大切さ
最後のポイントは・・「一箇所も空欄(くうらん)をつらない!」こと。
採点は減点方式となり、当然空欄だと0点です。
なので、どうしてもわからない問題があったとしても「何かしら書きましょう!」。。もしかしたら 1点もらえるかもしれませんし、この積み重ねが合否を分けることになりかねません!
暗記しなければならない設問が多い分、計画的に勉強をして行かないと厳しいとは思いますが、㊤でも説明したように全体の6割を取れば合格となるので、十分に勝機はあります。
試験日までの日数を逆算して、計画性を持って取り組みましょう!
文章の構成の仕方などを含め「私が実際に経験した施工経験記述内容」を、詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
今回は、1級建築施工管理の第二次検定における施工経験記述の書き方を紹介したいと思います。 施工経験記述は、自分自身が経験した現場施工における記述となりますが、自分が経験したこととはいえ、指定された課題に則って文章を[…]
1級建築施工管理技士(実地試験)のまとめ
以上が、独学で合格する為に必要な実践勉強法です。
学科の記事にも書きましたが、1級建築施工管理技士の有資格者は不足傾向なので、合格となれば、「会社内での待遇アップ」や「転職の際にかなり有利」になるなど、取得メリットは計り知れないものがあります!
是非、頑張って合格を勝ち取ってください!
長い文章となりましたが、この記事を参考にして一人でも多くの方が合格して頂ければ幸いです。
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