資格試験における難易度は年々高まっていますが、1級建築施工管理技士についてはどうでしょうか?
結論から言うと、他の資格からみて1級建築施工管理技士の難易度はそれほど高くないです。
本当?と思うかもしれませんが、その理由や合格率も含め、「これならイケる!」という対策法を詳しく紹介していきますね。
1級建築施工管理技士の合格率を紹介
まずは直近5年間の合格率を、第一次検定と第二次検定別に紹介。
年度 | 第一次検定(旧 学科試験) | 第二次検定(旧 実地試験) |
令和3年度 | 36.0% | 52.4% |
令和2年度 | 51.1% | 40.7% |
令和元年度 | 42.7% | 46.5% |
平成30年度 | 36.6% | 37.1% |
平成29年度 | 39.7% | 33.5% |
それぞれの平均を見てみると、「第一次検定:約41%」「第二次検定:約42%」となります。
第一次検定について、令和3年度はグッと合格率が下がりましたが、理由の一つに試験制度の変更があるんですよね。
第一次検定における主な変更点はこちら。
【変更点】
・出題数の82問が、72問に変更(解答数の60問は変更なし)
・出題分類の中に、応用能力問題(6問)が追加
・合格基準点が全体60%(36/60問)以上の得点と、応用能力問題が60%(4/6問)以上の得点も追加
全体出題数が減ったことと、応用能力問題の追加による影響で合格率は落ちてますね。
★ 「試験制度の変更ってどう変わったの?」との疑問に、わかりやすく内容を説明した記事も紹介してます。
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第二次検定については主だった変更点はないものの、合格率は上がってます。
「実際に難易度は高まったのか?」と、気になるところを検証していきます。
1級建築施工管理技士の需要度とは
難易度を検証する前に、そもそも1級建築施工管理技士に需要があるのか?は大切なところ。
なので、まずはそこの部分を調査!
第一次検定の合格率を見ると難易度が上がったように見えますが、試験制度の変更はあくまで資格者の増加を見込んだ緩和策なんですよね。
施工業者は公共工事や民間工事を請け負うにあたり、工事の規模によって監理技術者(1級)か主任技術者(2級)の配置が必須となります。
建設業の許可を受けた建設業者は、適正な施工を確保するために、請け負った工事現場に一定の資格を有する者(主任技術者、監理技術者 他)を置いて工事施工の技術上の管理を行う必要がある。
さらに現在では、有資格者の高齢化も後押しして、必要性は年々あがることに!
㊤のグラフは国土交通省が発表している技能労働者数における年齢別の調査結果ですが、現有資格者の約4割(82.8万人)が60歳以上なので、10年後にはかなりの離職者がでることが予想されます。
ところが10代から20代までの有資格者は全体の約1割強(36.5万人)ほどで、若者の入職者が全然足りていないんですよね。
さらにコロナを含めた不景気の影響もあって、資格がないと就職率はかなり厳しい状況です。
他にも経営事項審査(経審)の評価において、「1級は5点」「2級は3点」が加点され、所属している会社の技術力評点を上げることにも繋がります。
経営事項審査とは、日本の建設業において公共工事の入札に参加する建設業者の「企業規模・経営状況」などの客観事項を数値化した審査のこと。
略して経審(けいしん)とも呼ばれる。引用元:Wikipedia
★ 1級建築施工管理技士の必要性を裏付ける、試験制度の変更内容をわかりやすく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
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このように1級建築施工管理技士の需要はかなり高いので、今回の試験制度の変更は資格者を増やすための施策になります。
難易度からみる合格対策法を紹介
今後の方向性や1級建築施工管理技士の需要がわかったところで、改めて難易度を検証。
第一次検定において応用能力問題が新たに加わりましたが、難易度はやはり高くないです。
その理由は3つ。
・合格基準点が6割ということ
・第一次検定はマークシート方式
・第一次検定を一度合格すると再受験はない
順に説明します。
現在数多くある資格の中で、合格基準点は7割という資格が多いですが、1級建築施工管理技士は合格基準点が6割(100点が満点なら、60点で合格)。
令和3年度からは全体6割以上の得点以外に、応用能力問題も6割以上(6問中4問の正解)も加わりました。
しかし応用能力問題は特別な問題ではなく、従来の分類(施工管理法)の中からの出題なので、範囲が広くなったわけではありません。
★ 1級建築施工管理技士(第一次検定)を独学で合格できる効率重視の勉強法を紹介してます。
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次に、第一次検定は4肢1拓のマークシート方式なので、問題がわからなくても25%の確率で正解できます。(応用能力問題の6問は5肢2拓「5肢の中で答えが2つ」)
最後に、従来の学科試験は合格しても2度実地試験に不合格すると、再度学科試験からの挑戦になりました。
令和3年度からの第一次検定は、合格すると1級建築施工管理技士補になるので再受験になることはありません。
合格への対策法
難易度が高くないことを理解した上で、合格するための対策法を紹介します。
資格試験を合格するのに一番大切なことは、明確な目的を持つことなんですよね。
もちろん試験に合格して現金がもらえることはありません。(笑)
言いたかったことは、目的をしっかり持つ(明確にする)ことが大事だということです。
例えにある通り「100万円をゲットする」という目的があれば、やる気がでて合格する確率が高まりますよね。
大切なのは取得することによって得られるメリットを理解して、今後の人生や生活にどのような影響を及ぼすかを想像すること。
・待遇面(昇格や昇給)のアップ
・定年後の再雇用率のアップ
資格取得をトータル(人生)で考えたら「100万円を超える価値」は十分にあります! 資格取得によって得られる環境や自身の目的をしっかり理解することです。
おすすめのテキストと過去問題集を紹介
私が1級建築施工管理技士の第一次検定(旧 学科試験)を合格したときに使用した、テキストと過去問題集を紹介します。
・市ヶ谷出版社の1級建築施工管理技士 要点テキスト
・地域開発研究所の過去問題集
実践向きで、とても使いやすく理解しやすいのでおすすめです。
難易度や合格率、対策法のまとめ
ここまで1級建築施工管理技士の難易度や、合格率からみる対策法を紹介してきました。
試験制度の変更により、少し難易度が上がったように思われますが、決して難しい試験ではありません。
目的を明確にして、自身に合った勉強法で取り組めば合格できます。
なので、ぜひこの記事を参考にして取り組んでみてください。
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