2021年度より、施工管理技士における試験制度の変更が導入されました。1、2級施工管理技士の技術検定試験は「第1次検定と第2次検定」に再編され、新たに技士補が創設されることに!
・今までとどう変わるの?
・第1次検定と第2次検定って何?
・技士補になると何ができるの?
など、気になることが多いですよね。今回の大幅な再編にはどんな意図や理由があるのか?も含め、変更箇所をわかりやすく解説したいと思います。
※ 以下「施工管理技士」の表記は『建築・土木・電気工事・管工事』の分野を含んでいます。
(※ この記事は2024年7月に一部更新してます)
1・2級施工管理技士:技術検定試験における制度変更の背景
まず試験制度改定において、どんな理由や背景があるのかを解説していきます。現在、少子高齢化が深刻な問題になっていますが、建設業界においても有資格者の高齢化が大きな問題に!
さらに若い世代の資格取得がほとんど進んでいないので、業界内における有資格者(1・2級とも)はかなり不足傾向に。現況の建設業法では公共や民間を含め、施工管理技士などの有資格者による現場配置が義務付けられています。
技術者の配置義務
・主任技術者(2級):建設業許可をとっている会社は金額を問わず現場配置
・監理技術者(1級):下請け契約が4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上で現場配置
なので施工はもとより、受注面からみても各企業における有資格者の確保は必須となります。
こういう背景を踏まえて、今回の制度変更に繋がっているので、次項より詳しく解説しています。
1・2級施工管理技士:第一次検定と第二次検定を解説
有資格者の減少を受けて、建設業法がいくつか緩和されました。そのうちの一つが、施工管理技士における試験制度の変更です。
ただ単に呼び方が変わったわけではありません。大きな変更点は第1次検定に合格すると、技士補の資格が与えられるとのこと!令和3年度以前は、「学科・実地」両方の試験合格で、1、2級施工管理技士の資格が取得できました。
それを第一次検定の合格で、技士補の資格取得というのは、大きな改定といえますね。
1級技士補の創設とは
まず1級について改定前の規定では、監理技術者は1現場につき1名の専任配置義務がありました。
この緩和策として技士補を創設。技士補を現場に配置した場合は、監理技術者は2現場まで兼務することが可能。
㊤でも説明した通り、監理技術者は1級施工管理技士(学科・実地試験を合格した者)の配置となります。監理技術者は、専任している現場の工期が終了するまで配置が解除になりません。
なので配置義務がある企業(元請会社)は、1級の資格者がいないと、それ以上物件を受注できないことになります。
第一次検定合格は「無期限に有効」を解説
次は、第1次検定試験の免除期間に関する緩和です。以前は学科試験に合格した場合、翌年まで学科試験が免除になりました。
参考学科試験を合格した年に実地試験が不合格になっても、翌年は学科を受けずに実地試験のみの受験。
しかし翌年も実地試験が不合格となると、再度学科試験からの受験ということに。
よってこの部分についても、若年層の資格者不足に影響が及んでいます。今回の緩和策では、第1次検定に合格すると技士補の資格取得となるので、再受験はありません。
この部分の緩和については、資格取得率の向上に期待が持てると思います。
2級技士補に関してを解説
続いて、2級技士補の取り扱いも解説します。2級に関しても1級同様、第一次検定に合格すると、2級施工管理技士補となります。なので、第一次検定の再受験はありません。さらに第二次検定まで合格して技士となった場合、翌年より1級の第一次検定の受験資格が与えられます。
チェック従来の制度では2級技士が1級を受験する場合、合格後、5年以上の実務経験が必要。
※第二次検定の受験に関しては、従来の1級受験資格の規定によります。
ただ1級と違い、2級の技士補については、現場配置しても主任技術者は兼務することはできません。
メモ2級においても公共性のある工事で、1件の請負代金が4,000万円以上(建築一式工事の場合は8,000万円)の場合は、主任技術者は専任の配置となります。
(専任の必要性がない現場では、主任技術者は複数現場管理が可能)
その他の緩和策
他にも経営事項審査(経審)の評価において、1級技士補には新たに4点の加点がされることになりました。
【経審の加点一覧】
・1級技士 :5点
・1級技士補:4点
・2級技士 :3点
経営事項審査とは、日本の建設業において公共工事の入札に参加する建設業者の「企業規模・経営状況」などの客観事項を数値化した審査のこと。
略して経審(けいしん)とも呼ばれる。引用元:Wikipedia
評点アップによる入札参加案件が増えるだけでなく、所属している会社の技術力評点を上げることにもなります。
残念ながら2024年現在、2級技士補による加点はありません。職場環境の向上や就職(転職)などの有利さも含め、資格取得向上を促す緩和策になってます。
1・2級施工管理技士|制度変更の解説のまとめ
【主な試験制度の変更や緩和策】
・第一次検定試験の合格で、技士補を取得
・1級技士補の配置で、監理技術者は現場兼務が可能
・1級技士補は経審で、4点の加点
ここまで2021年度から改定された、施工管理技士に関する試験制度の変更や緩和策を紹介しました。㊤でも述べた通り、資格を取得すると、職場環境の向上や就職(転職)においても有利になります。ポイントは有資格者を増やすための制度改正なので、この機会に是非、資格取得に挑戦してみてください。
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