2級建築施工管理技士の二次検定を独学で合格できる対策勉強法を紹介します。
二次検定は一次検定と違い、独学では厳しいと思ってる方が多いですが、まったくそんなことはありません。
合格するための計画性や急所を押えた勉強法なら、誰でも合格できます!
【この記事を読んで得られる内容】
・独学でも合格できる理由
・再現性の高い対策勉強法
・おすすめの過去問題集やテキスト
効率的な対取り組みをわかりやすく解説するので、参考にしてみてください。
二次検定が独学で合格できる理由
二次検定の合格を、独学では厳しいと思う主な理由。
・一次検定と違い、マークシートではなく記述なので厳しい
・二次検定の勉強の仕方がわからない
・施工経験記述の書き方がわからない
それぞれ説明していきます。
一次検定は4肢1択のマークシートなので、わからなくても25%の確率で正解できました。その意味で、記述だと難易度は確かに上がります。
しかし統計で見てみると、一次検定と比べて、さほど難易度は変わってないんですよね。
事実、R3年度の合格率は「一次検定:49.0%」「二次検定:53.9%」と、二次検定の方が高い!
★ 2級建築施工管理技士の最新の難易度や合格率はこちらで詳しく紹介してます。
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過去問題集による出題傾向の把握
次に二次検定の勉強の仕方ですが、出題傾向を把握することが最も大事!記述は暗記が中心となるので、覚える量が多いと挫折する可能性が高まります。
なので、まずは各設問における出題形式を、過去問題集を利用して把握!把握した形式内容をポイントを絞って、効率良く学習していくことで合格率は格段にアップします。
私は資格学校には通わず、過去問題集の学習だけで合格できました。ポイントは、無駄を省く勉強の仕方や必要加点に特化した取り組みができれば、誰でも独学で合格できます。
次項より、順番に各設問の対策や取り組み方を説明していきますね。
出題設問の形式パターンを把握
それでは、出題範囲や形式を確認してみましょう。
出題項目
問題1 施工経験記述
問題2 施工管理用語
問題3 施工管理
問題4 法規
問題5 建築施工
設問は毎年、この5項目からの出題。解答は記述なので、暗記が中心のスタイルになります。ただ一次検定と同じく、合格基準点は6割(100点が満点なら60点)なので、難易度は高くありません。
なので、各設問で何点とるかを逆算して決めておき、最終的に6割を超えるような取り組みが最も有効!
★ 一次検定を合格するための逆算勉強法も紹介しているので、参考にしてください。
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それぞれの設問ごとに詳しく説明していきます。
施工経験記述
5つある項目の中で一番大事な設問ですが、主な理由は2つ。
① 配点が全体の約4割(39点)あるので比重が大きい。
② ある程度(約33点)の解答をしないと不合格になる。
それぞれ説明します。
まず①ついて、6割が合格基準点の中にあって、全体の4割を占める配点なので、他の設問に比べて比重はかなり大きいです。
次の②に関しては、合格する上で最も大事なポイント!
合格基準点(6割)からみて、施工経験記述(約39点)が 0点と仮定したとき、それ以外の設問を全て正解すると 61点になります。
通常だと全体の6割を超えているので合格となりますが、不合格!
二次検定の受験資格の中に、一定期間の実務経験が必要とあります。よって自身が経験した、現場での管理指導や取り組みを、具体的に記述できないと、実務経験がないと判断されて不合格となってしまうんですね。
補足
実務経験年数に関しては、学歴や専攻学科などにより年数が違うので、詳しくは建設業振興基金(主催元)のホームページを参照してください。
この点1つ見ても、合格できるかどうかは 施工経験記述で決まる!と言っても過言ではありません。
令和4年度の課題予想と取り組み方
施工経験記述では「施工計画・工程管理・品質管理・建設副産物」の指定された4つ課題に対して、『留意した事項』『実施した処置や対策』『現場で行った取組み』など、具体的に記述することになります。
そして気になるR4年度の課題ですが、品質管理が有力!理由は、順番通りにいくとR3年度は品質管理が有力だったのに、施工計画が出題されました。
これにより、品質管理は3年連続で出題されていないので、今年度はかなりの確率で出題されると予想されます。(詳しくは後で説明)
次に取り組み方ですが、自身の実務経験をもとに事前に作文をしておき、その内容を覚えて(暗記して)試験に臨む。
二次検定の試験時間は2時間ですが、設問は他にも4つあります。その場で文章構成をしていると、間に合わなくなる可能性が高いので、事前に作文をしておくのがポイント!
施工経験記述は合格の要なので、しっかり対策を立てて臨むことが求められます。
施工経験記述の対策
事前の対策が重要ということを理解した上で、次に具体的な対策法を紹介します。
㊤でも触れたように、R4年度は品質管理が有力ですが、絶対とは限りません。
ベストは3つの課題すべてを作文して暗記することですが、1つの課題に対して複数の解答を求められます。
なので3つの課題を「本命・対抗・大穴」に分けて説明。(競馬みたいですいません・・苦笑)
【R4年度の出題予想】
・本命:品質管理
・対抗:工程管理
・大穴:施工計画
まず本命である品質管理は、作成した文章をすべて暗記。次に対抗ですが、工程管理の作文で求められるキーワードをいくつか決めておき、品質管理で作文した文章を元に、リライト(書き換え)していく。
(キーワードとは、工程管理で作文したときに使用するであろう語句)
本命以外の課題が出た時の対応
・覚えている品質管理の文章を、工程管理や施工計画の文章にその場で組み替える
・組み替え方は、事前に決めておいたキーワードの語句を入れ変えて使用し、その場で構成する
違う内容の文章を構成し直すのは少し無理があるように思えますが、「同じ現場」で「同じ工種」の内容なので、キーワード(語句)を入れ替えて作成し直すのはさほど難しくはありません。
不安なら暗記しないまでも、事前に練習はしておくと本番でスムーズに構成できます。
最後に建設副産物に関してですが、令和元年度に一度出題されたでけなので確率は微妙。
対策としては、過去問題集に令和元年度の解答凡例がでているので、それを参考にするのが良いですね。(おすすめの過去問題集は後ほど紹介)
空欄は絶対につくらない
ここで、試験における大事なポイントがあります。
それは、施工経験記述に関して、一箇所も空欄があってはいけないということ!どうしてもうまく構成(作文)できない時は、課題から少しずれてしまっても構わないので、必ず何かしらの記述しましょう。
何度も言うように自身の経験記述なので、答えられない箇所が一つでもあったら、その段階で不合格の可能性が高くなります。
空欄で不合格になるよりは、課題に対する「記述のズレによる減点」を選ぶことの方が大事なので、何かしら記述することがポイント!
おすすめの経験記述の添削や作文代行
施工経験記述の対策や取り組みを紹介しましたが、作文できるか不安な方も多いと思います。
【よくある不安要素】
・はじめての挑戦で書き方がわからない
・何度も不合格になっているので、記述に自信がない
・自身の経験でもイメージがわかないので、作文できない
過去問の解答凡例を参考にしても「うまく落とし込めない」「自分の経験とパターンが違う」というのはよく聞きます。
そんな方は、プロに経験記述の添削を依頼するか、作文してもらうのもありです。
仕事をしながらの勉強は、それでなくても時間が足りないので、施工経験記述の作成はとても大変。なので、記述の添削や作文そのものを依頼するのは、合格をより確実にするためにも選択する価値はあります。
紹介先は、金額的にもリーズナブルな価格で、独学で受験する方へのサポートに特化したスタイルが特徴。
2級建築施工管理技士の試験は独学で合格できますが、施工経験記述に関しては人によってサポートを得るのも一択です。
施工管理用語
次に設問の2番目「施工管理用語」:配点予想は15点。
施工管理用語は施工記述の次に大切で、理由は比較的予想しやすい設問だからです。
毎年14個の建築工事に関する用語の中から5つ選んで、「用語の説明」と「施工上留意すべきこと」を具体的に記述するという設問。
【令和3年度の出題用語】
① クレセント
② コンクリート壁の誘発目地
③ ジェットバーナー仕上げ
④ セルフレベリング工法
⑤ 鉄骨の耐火被覆
⑥ 土工事における釜場
⑦ 乗入れ構台
⑧ 腹筋
⑨ ビニル床シート熱溶接工法
⑩ フラットデッキ
⑪ 壁面のガラスブロック積み
⑫ ボンドフレーカー
⑬ 木工事の大引
⑭ ローリングタワー
選んだ用語に対し、用語の説明と施工上留意すべきことをそれぞれ記述。5つ選択するので計10個の文章を書くことになります。
出題パターン
過去問題集には過去10年分の出題用語 一覧表が掲載されているので、とても参考になります。(おすすめの過去問題集は後ほど紹介)
過去に2年連続で同じ用語が出題されたことはないので、㊤に表記した14個は、令和4年度に出題される可能性はかなり低い。
用語全体の項目は多いですが、過去10年に出題された傾向にパターンがあるので、予想が立てやすく得点しやすいです。
配点は5つの記述に対し、それぞれ3点ずつで計15点と予想!この設問では9点以上は確保したいですね。
施工管理
次に設問の3番目「施工管理」:配点予想は18点。
この設問は工程表による課題ですが、H28年度までネットワーク工程表、H29年度以降はバーチャート工程表が出題されています。よって、令和4年度もバーチャート工程表の可能性が高いですね。
出題パターンは「鉄骨造3階建て」や「木造2階建て」などの工事を、バーチャート工程表を使用し、出来高表も含め出題。
【主な出題パターン】
①バーチャート工程表より
問1. 工程表内の空欄に作業名の記入(穴埋問題)
問2. 工程表内にある作業項目の開始日や終了日の記入
②出来高表より
問3. 完成出来高の累計をパーセントで記入
問4. 完成出来高の累計を金額で記入
バーチャート工程表の対策としては、過去問題集で例年の出題パターンを把握し、鉄骨や木造における工種作業を覚える。
出来高表に関しても、過去の出題を繰り返しやることで、どのように計算したらよいのかがわかります。
問1は解答箇所が3つに分かれているので、計6問の出題に対して、各3点で18点の配点予想。
バーチャート工程表内の作業内容の把握と出来高表の見方を理解できれば、比較的取りやすい設問だと思うので、この設問では12点以上は確保したいです。
法規
次に設問の4番目「法規」:配点予想は12点。
出題範囲
・建設業法
・建築基準法(施行令)
・労働安全衛生法
・建設リサイクル法
出題形式は、それぞれの項目の法規文章(条文)が1題ずつ出ます。
建設業法と建築基準法(施行令)は必ず1題出題され、残りの1題は労働安全衛生法か建設リサイクル法のどちらかから出題となり、計3題の出題となります。
1つの条文に2箇所の穴埋め問題となっていて、語群欄から正しい語句や数値の番号を記入するという出題形式。
対策としては、各課題とも出題回数が多い条文があるので、そこを中心に勉強すると加点しやすいです。
さらに、2年連続で同じ条文が出題されていることはないので、そこもポイント!
出題回数が多い条文
・建設業法:法第19と24条
・建築基準法(施行令):法第89条と令第136条
・労働安全衛生法:法第60条と法第61条
・建設リサイクル法:法第5条と法第18条 等
【補足説明】
・例えば、建設業法の法第24条とは、第24条全部の意味で、そこから「第24条の2」とか「第24条の3」という具合に分かれる。
・建築基準法は基準法と施行令に分かれていて、法第89条なら「建築基準法」、令第136条なら「建築基準法施行令」のことなので、条文はそれぞれ違う。
計6問の出題に対して、各2点で12点の配点予想。
マークシートに似た形式なので、この設問では8点以上は確保したいですね。
建築施工
最後の設問は「建築施工」:配点予想は16点。
この設問は、「建築」「躯体」「仕上げ」に分かれていて、自身の受験種別によってそれぞれの問題を解答します。
各種別とも、1つの条文に1箇所の穴埋め問題が8題出題され、それぞれ語群欄から正しい語句や数値の番号を記入するという出題形式。
注意
自身が受験する種別だけを解答すること。
例:「建築」なら建築の問題だけで、「躯体」と「仕上げ」の問題は解答しない。
違う種別を解答すると加点ではなく、減点の対象になるので注意!
こちらも法規同様、R3年度から記述ではなく語群の中から番号を選ぶ形式に変更されたので、加点しやすくなりました。
ただ、他の設問より範囲が広く、2年連続で出題される項目もあるので絞りづらいのは事実。
【参考】
過去問題集には過去10年分の出題一覧表が掲載されています。
なので、どの分類(※)がどれくらいの割合いで出題されているかを見ることが可能。
(※ 分類とは:土工事・鉄筋工事・防水工事・塗装工事 他 などの各工事種類のこと)
8問出題の各2点で計16点の配点予想ですが、マークシートに似た形式なので、10点以上は確保したいです。
おすすめ過去問題集とテキストを紹介
ここで、おすすめの過去問題集とテキストを紹介します。
私のおすすめは一次検定と同様、地域開発研究所の過去問題集です。
一次検定問題の他に、二次検定問題も過去5年分(模範解答・傾向対策付)収録されているので、2級の範囲であればこの一冊で大丈夫!
おすすめのポイントは各設問の解説や問題の前に、必ず「過去10年分の出題一覧表」が掲載してあり、傾向と対策を立てる時にとても役にたちます。
私も地域開発研究所の過去問題集だけで、二次検定を合格しました。
おすすめのテキストは、市ヶ谷出版社の2級建築施工管理技士 要点テキスト。
理由は、要点だけをまとめてあるテキストになっていて、とても見やすく活用しやすいのが特徴です。
★ 効率的な一次検定の勉強法も詳しく紹介しているので、ぜひこちらの記事も参考にしてください!
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二次検定試験:合格への考察
ここまで5つの設問を見てきましたが、合格するためには6割(60点)必要です。
各設問の予想配点
・施工経験記述:39点
・施工管理用語:15点
・施工管理:18点
・法規:12点
・建築施工:16点
◎ 合計100点
※ 二次検定は主催元が配点を公表しないので、あくまで予想配点となります。
【合格を目指す設定配点】
・施工経験記述:33点
・施工管理用語:9点
・施工管理:12点
・法規:8点
・建築施工:10点
◎ 合計72点
※ 6割を目指して、本番で60点とるのは難しいので、目標は72点で設定
この設定配点は勉強をしていく上で、目安になるので非常に重要です!特に施工経験記述に関しては、必ず試験時間の配分を考えて取り組んでください。
理由は一番初めにくる設問なので、多くの方がここで時間を費やし、残りの問題にかける時間がなくなるというパターンが多いです。
気持ちに余裕を持てる対策
施工経験記述に関しては、どうしても時間を取られます。
他の設問を先にやっておけば、残りの時間をすべて記述に掛けられるので、気持ちに余裕を持ってじっくり取り組むことができます。
【その他の設問の取り組み】
・施工管理用語:他の設問に比べて課題を予想しやすいので、15点中 9点以上の獲得。
・施工管理:バーチャート工程表と出来高表の理解を過去問から習得して、18点中 12点以上の獲得。
・法規:出題回数の多い条文に的を絞り、条文全部を暗記するのではなく、空欄(虫食い)になりやすい語句や数値を中心に覚えて、12点中 8点以上の獲得。
・建築施工:出題範囲は広いが、語群の中から番号を選ぶ形式になったので、16点中 10点以上の獲得。
諦めない姿勢の大切さ
最後のポイントは一箇所も空欄をつらないこと!
なので、どうしてもわからない問題があったとしても何かしら書きましょう。何かしら書いておけば、もしかしたら1点もらえるかもしれません。
大事なことは最後まで諦めないで、食らいつく姿勢が合格を引き寄せます!
二次検定試験:対策勉強法のまとめ
現在は資格者の不足が深刻で、2021年より試験制度が変更になりました。
一次検定は応用問題の追加による変更点がありますが、二次検定については今のところありません。
★ 2級建築施工管理技士の必要性を裏付ける、試験制度の変更内容をわかりやすく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
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2級建築施工管理技士の需要が高い現在は、資格取得によるメリットは絶大!なので、ぜひこのチャンスをものにしてもらえたらと切に願います。
長い文章となりましたが、この記事を参考にして一人でも多くの方が合格していただけければ幸いです。
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★ 二次検定の施工経験記述に「自信がない」「書き方がわかない」と不安な方におすすめな独学サポート!
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